ピアノの練習における効果的なアンメルツの使用法

2009年09月14日 19:34

ピアノは根性論で弾いても、なかなか上達しません。
工夫や理解なしに百回弾くのと、よくよく考えて五回弾くのとそう変わりありません。

なんですか?百回と五回なら約分しろって?だいたいですよ~


こないだ、生徒さんの練習方法でブッたまげました。
生徒といっても、元から音楽をやっている友達ですが。
来年には内地に帰る予定だったりで、通常のレッスンではなく「表現とフォームのエッセンスを学びたい。」ということでした。




それなら!と、今すぐできるようにならなくても、後から地道に身につけていけるように、とかなりのペースで濃縮して伝えることにしました。


案の定、レッスンの中では「理解はできたけど、難しい難しい。」と言っていたので。
『そりゃそうさ~、これだけの知識を一度のレッスンで全部実践できたら商売アガッタリだぜ~フッフッフ。』





と、思っていたら 翌週
「いや~、やっぱり難しいわ~。」と言いながら、アレ?アレ?一週間でそんなにできるようになるの?
20年来のクセがそんなに簡単に治るの?!普通の人が習得できる3ヶ月分くらいの技術を教えたつもりなのに?!


「ねえねえ、なにやったん?どうやってできるようになったん?」
と、教えた本人が聞く始末…。




すると、先週「ここを意識するといいよ。」と教えたところを指差して
「ココとココに、アンメルツを塗って練習してみたスースーするから意識しやすくなるの。」
もう、笑い転げてしまいました。


自分から“習得しよう!”とする工夫の勝利ですね。







はたまた、ルービンシュタインという歴史上最も偉大なピアニストの一人がおりましたが。


このピアニストは演奏会の時、ピアノの鍵盤に
ヘアスプレーをプシュー  っとかけていたそうです。



ルービンシュタインでなければ
『楽器にそんなことをするなんて!』
『ピアノを粗末に扱っている!』
と、言われそうなビックリな行為です。


ルービンシュタインのタッチはとてもしなやかで美しく。
腕でのスライド、重心移動が細やかなので指に不必要な緊張がありません。
でも、曲によっては音を優先して少しミスしやすいフォームをとる時がある。なのに、本人は非常にミスタッチを嫌ったというのが不思議でした。


すると、ルービンシュタインの調律師だった人が書いた本の中で。

日頃から「汚れた鍵盤でないとスベって弾けない。」というルービンシュタインのスタイルを知らなかった調律師さんが、開演前の調律で鍵盤をピカピカに拭いてしまった、そこで応急処置で思いついたのがヘアスプレー。
観客の待つホールで、調律師が鍵盤にスプレーをかけ始めると笑いが起こったとか。
それ以来、ヘアスプレーはルービンシュタインの大のお気に入りになったそうな。




汚れた鍵盤で弾く!というのが、彼の音楽を達成するための工夫だったんです。



え?ヘアスプレーやってみる?
湿気の多い沖縄でやったらニッチャニチャになるかもよ?わたしゃ知らないよ?


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