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2016年12月24日

ピアノのレッスンと手の形

ピアノを弾く時の手の形というのは先生自身の奏法によって理想の形は様々あるわけですが。

「こんな形をつくりましょう。」と形について教えるのが当たり前の事のように考えられていると思います。
自分ももちろんそのように教わってきたし、教えてきたわけですが。

今ではそれが不可解なことのように思えてきて、レッスンで“形”について話すことはだんだん減ってきました。
なぜかというと。

止まった状態で形を保つ感覚と、動きの中でその形を一時的に“通過”する感覚というのがずいぶん違うからです。


そして、運動感覚の良い人以外は、“形”を意識すると静止状態での筋肉の感覚を目安に動作してしまうので手が固まりやすいのです。



そうは言っても『自分もしつこく何度も形を注意されてだんだん良くなった』という人も多いでしょうが。
他人の"運動”をコピーする能力が高い人である場合や、先生のいう事がすぐは理解できないけど自分の中で色々ためしているうちに『あれ?この感覚でこの形になるの?』と運良く発見して以来自分の感覚を修正してしまった人だと思います。

本当に大真面目に形を意識して練習していたら、構えた時がいい形で、弾き始めたらガチガチになるのではないかな。


よく、勉強のできる人ができない人を教える時に「何がわからないのかわからない。」と言いますが。
すでに良い身体感覚を身に着けた先生の側から、なぜ生徒が同じように動かせないのか理解するのは中々大変な事だと思います。
幼少期にそれを習得してしまうと、もう当たり前の感覚になりすぎているのです。

ですから逆に、ピアノを習っている側の人から「先生の言う事を意識してみたら、こんな"感じ”がします。」 と、自分の感覚を伝えてみることも大切かもしれません。
良い先生ならば、その言葉からヒントを得て二人の間の感覚の溝に気づいて、より素早く原因にたどり着いてくれることでしょう。





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